McSS導入企業インタビュー:安田経営診断事務所様

プロフィール

安田経営診断事務所様
所在地 東京都
業務内容 経営改善計画策定、資金調達支援、販路開拓・マーケティング、人材育成など経営全般のアドバイス
URL http://yasuda-keiei.com/

中小企業診断士 安田 順  様

■インタビュー実施:2021年12月

金融機関の財務分析目線が分かるツール

CRD:まず、McSSを導入されたきっかけをお伺いしたいのですが、ご自身で色々と調べられている際にCRDを見つけていただいた感じでしょうか?


安田様:中小企業診断士の会合にCRDの方がMcSSの説明にいらっしゃったことがあり、その記事を見たのがきっかけでした。



CRD:診断協会の本部の方と提携させていただいておりまして、実務補習でもお使いいただいているので、恐らくそういったきっかけがあったということですね。


安田様:そうですね。その後、私は100社以上の決算書でMcSSを活用させていただいております。



CRD:継続的なご利用の決め手になった点としては、McSSの機能でしょうか?ご紹介があったということが大きかったですか?


安田様:まずはなんといっても自分自身の使用感です。私は金融機関出身で、これまで財務を専門に中小企業の経営を支援してきました。決算書のどの辺が悪いと融資が受けられなくなる等は、だいたい分かっているので、McSSがはじき出すスコアがかなりリアルなものであることにはすぐに気づきました。たとえば、McSSでは、自己資本比率が15%の会社でも、現金が少なく、かつ借入の多い会社は、最下位のEランク判定が出る場合があります。金融機関の見方をよく反映しているなあと感心しました。それから興味を持つようになり、McSSのスコアと財務指標の相関分析を行ったりして、使い方を研究しています。



CRD:McSS以外で何か使われているツールはありますか?


安田様:以前は、中小機構の「経営自己診断システム」を使っていました。このツールは無料で非常に便利なのですが、倒産リスク分析が財務指標ごとに設定された得点の合計で計算されるなど、やや粗い面も感じます。やはりMcSSの方が説得力を持つと思うので、McSSを使っています。



CRD:経営自己診断システムのお話をいただきましたが、特に診断士さんだと補助金の案件でローカルベンチマークもよく使われてるのかなと思っていたのですが、そのあたりはいかがですか?


安田様:ロカベンは私も時々使います。ただ私自身は、あの6つの指標で中小企業の財務内容を測れるとは思ってないです。たとえばもっとも重要な手元流動性が含まれていません。とはいえ、ロカベンは中小企業が非財務情報を整理する、よいきっかけになるとは思います。

CRDデータに基づいた財務分析の有効性を実感

安田様:実際にデータを見てみると、McSSのEランクやDランク、特にEランク判定の中小企業の多くはリスケしていますね。このことからもMcSSと金融機関の評価がリンクしていることが分かります。下位ランクの大きな特徴に、「売上高支払利息割引料率が著しく高い」という点があります。この指標がポイントなんだな、ということを最近すごく意識しています。



CRD:さすが鋭いですね、その通りです。


安田様:売上に対する支払利息(信用保証料を含む)の割合を見ると、その会社の厳しさがつかめるということにMcSSで気づいて、顧問先の社長にも「売上高支払利息割引料率に気を付けましょう」と話しています。2月のレポート(「業種別に見た中小企業の状況」)に「1%を超えると警戒」と書かれていましたね。コロナ禍で借金を増やした中小企業には非常に重要なメッセージであると思います。



CRD:レポートもお読みいただいているんですね。


安田様:もちろんです。「業種別に見た中小企業の状況」では7つの指標を選んでいたと思いますが、たとえば「自己資本比率の一ケタ台は要警戒」は、多くの中小企業の役に立つでしょう。私は、「一ケタ台は不健全です。そのゾーンにはDランクやEランクの企業がたくさん存在しますから」とセミナーなどで話しています。



CRD:ありがとうございます。ところで、先生は色々なところでセミナー講師をされる機会もやっぱり多いんですか?


安田様:そうですね、全国を回っているということではないですけど、埼玉県産業振興公社では決算書分析セミナーみたいなものを毎年やっています。あとは二代目経営者向けの財務のセミナーとかですね。McSSについても、ほぼ毎回、話しています。

McSS活用により、真に役立つ財務改善コンサルティングを実現

CRD:McSSの診断結果をご覧になったときに、デフォルトとの比較を嫌う経営者さんはいらっしゃいますか?


安田様:まずいませんね。私は「デフォルトする決算書がどういうものであるかを知り、それと比較することが重要」と話しています。そこはまったく問題ないと思います。



CRD:そう言っていただけると非常にありがたいです。ではやはり顧問先さんの現状診断、決算書が毎年出る時に、信用力が下がらないように、こうやるともっと良くなるよ、といったアドバイスに主にお使いいただいてるということでしょうか。


安田様:そうですね。なんといっても「金融機関の目線で御社の決算書は何ランク」という客観的な事実を伝えられる点に価値を感じます。中小企業の社長に改善を促すには、緊張感のあるデータが必要ですから。ランクを説明した後は「ではどうしましょうか?」という風に持っていきやすいです。それから決算が確定する前の試算表の段階で様々なシミュレーションを行ってMcSSのスコアを確認する、ということもよく行っています。たとえば、取引銀行から提案された3000万円の追加融資を受けるかどうか迷っている場合、借入金と現預金をそれぞれ3000万円ずつ上乗せした数値をMcSSに入力し、スコアへの影響を確認します。このほかにも、「借入金を繰り上げ返済する」「有税償却を行って赤字決算にする」「M&Aで事業を譲る受ける」というような場合もシミュレーションを行っています。これをやると社長は安心します。

McSSで顧問先企業の与信管理ニーズにも対応

安田様:話は変わりますが、消費財メーカーが全国に点在する販売店に対して行う与信管理にMcSSを使って成果をあげています。私が請け負っている業務は、主に販売店の財務内容をMcSSで分析し、メーカーにアドバイスをすることですが、必要に応じて販売店の社長と直接面談することもあります。この取り組みで、財務に対する意識が高まり、多くの販売店がランクアップに成功しています。



CRD:大変積極的かつ有効に使っていただいて、ありがたい限りです。本日は貴重なお時間をいただきまして、ありがとうございました。

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