McSS導入企業インタビュー:

株式会社クォードコーポレーション様

プロフィール

株式会社クォードコーポレーション様
所在地 福井県
事業内容 水処理事業、リース事業
URL https://www.quadco.co.jp/

 営業本部 リース部 部長 小林 茂樹 様

■インタビュー実施:2022年12月

McSSを決算書提供のインセンティブに。分析結果でその後のコミュニケーションを深める

CRD:さっそくですが、McSSを普段ご利用いただいているのは、小林部長様お一人でいらっしゃいますか。


小林様:正確には、リース部門の営業部隊全員で活用しているという方が近いですね。



CRD:McSSのことを知っていただいたきっかけについてお聞かせいただけますか。


小林様:私どもクォードコーポレーションは福邦銀行系のリース会社「福邦リース」とホクコン産業が対等合併して設立された会社でして、私もですが、前職が銀行の行員というものが何人かおります。CRD協会のツールは銀行時代に融資審査で活用していましたが、こちらのリース事業ではスコアリングツールを活用していなかったので、与信管理に導入したらどうかということで、ちょうど2年前からMcSSを活用するようになったというのが経緯です。



CRD:リースのお申し込みがあったら決算書をお預かりして、McSSに入力した評価結果をもとにリースの条件等を決めてらっしゃるのでしょうか。


小林様:前提として、競合する銀行系のリースですと銀行との取引の中で決算書の入手は既に済んでいて、他方でメーカー系のリースの場合は、決算書の徴求自体しないケースがほとんどでして。「リース会社に何でそんなものを出さないといけないの」と言われるのが実態ですね。ただ案件によっては、トラックとかホイールローダーとか一千万円以上する高額なものもありますので、そういう場合には決算書のご提出をお願いして判断させていただくという形です。
McSSで診断するために最低でも2期以上の決算書提出をお願いしているのですが、特に新規のお客様と大口案件で累計金額が増えてきたお客様については、できれば3期いただけるようお願いしています。その後に評価結果をお客様にお返しして、御社の成績表としてはこういう形になっています、偏差値的にはもうちょっと頑張れる余地がありますよね、ですとか、この点はすごくいい成績になっていますというようなことをお伝えしています。



CRD:リースの与信判断を出発点として、財務内容についてもコミュニケーションをとっていらっしゃるということですね。


小林様:そうしないとなかなか決算書をいただけないので、提出いただいたお礼ではないですが、評価結果を御社の今後の経営にご活用くださいとお話ししています。例えば営業赤字が2期続いているような厳しい状況の企業ですと、金融機関からもいろんなアドバイスを受けているとは思うのですけど、こちらからも問題提起をさせていただいて、「今回の設備導入は必要ですね」とか「経費の削減にはやっぱりリースが必要ですよね」と助言するような事例もあります。
具体的な例をお話ししますと、先日豆腐屋さんでダンプカーの導入を検討されるお客様がありまして、よくよく聞きますと、おからを産業廃棄物として年間400万円くらい費用をかけて処分していて、何とかならないかと社長さんも苦心されていたそうです。そして、ちょっと離れた福井県あわら市の富津地区に「とみつ金時」というサツマイモが有名なエリアがあるのですが、こちらの農業法人がおからを肥料として引き取りたいということになりまして、2tダンプの購入もしくはリースを検討することになったという経緯でした。そこでMcSSの成績表をお見せしながら、財務面を中心とした問題意識を共有する流れから、リースの利用が経費削減になると提案し、さらにその農業法人経由で新しい販路、例えば県外の道の駅ですとかそういったものが開拓できないかという前向きな提案まで行うことができました。



CRD:リースだけでなくて知恵も貸されて、なおかつ伴走して支援されるというのは素晴らしい取り組みですね。

客観的な分析が、お客様を説得する材料として有効

小林様:それと、McSSはランクが出るじゃないですか。経営者も経営状態があまりよくないなと薄々認識していても、それが具体的にCRDランクとして提示できるときちんと認識を共有できますし、「もうちょっと頑張らなきゃ駄目ですね」みたいなことを私たちも言いやすい。直接評価結果をお見せすることでご理解いただきやすいなと思っています。



CRD:なるほど。客観的な評価として、御社とお客様の共通目線としてお使いいただいているのですね。


小林様:何もなければ、こちらの主観と取られる可能性もあると思うんですね。この人は何を言っているんだという話にもなりかねない。そこでMcSSを使わせていただいています。
特にCRDランクの中位以下の経営者の方は財務に対する意識がさほど高くないことが多く、ですから当然決算書を提出するのも嫌がられる傾向があります。そういった先からリース会社に決算書を提出していただくときに、McSSの客観的な分析が、先方を説得しやすい材料になっているのも事実ですね。そういう先には、例えば借入比率が大きかったりするなど、財務内容が良くないケースが多いと感じています。



CRD:利益が少なくて支払利息負担が重い、という傾向はどうしてもありますよね。


小林様:そこで、「赤字にならないためには、経費はどの部分から減らしますか」というような問いかけが必要になりますよね。経営の効率化を図るための設備導入であれば、私どもも積極的な支援ができますし、反対に単純に機械が壊れて、売り上げは上がらないけどどうしても必要というケースももちろんあるんですけど、それはそれで営業を続ける上では必要ですので。そこを明らかにするためのコミュニケーションツールとして使わせていただいている感じですね。

順序立てて説明しやすいフォーマット、決算書の科目に合った入力ファイル

CRD:お客様とコミュニケーションを取っていただく中で、McSS帳票について何か改善した方がよい点はありますか。


小林様:順序立てて説明しやすいフォーマットになっていると思います。経営者にも見ていただいて共通認識を持ってもらうようにしていますが、そういった活用をしていく中で、McSS帳票についてもっとこうだったらと感じることはないですね。ビジュアルでわかり易いなと思っています。



CRD:ありがとうございます。決算書データ入力でご不便はないですか。


小林様:csvファイルの読み込みだけなので、誰でもできると言ってもいいと思います。



CRD:決算書情報は、お客様からいただいた紙の内容をcsvファイル化されているのですか。


小林様:そうです。半分は金融機関での経験があり、項目分けも難なくできるんですけど、新しく他部署から異動してきた職員には、ちょっと丁寧に説明しています。それも勉強ということで。本来は、お客様から決算書をいただいたらすぐに財務分析というか、PLとBSがどうなんだというのを、職員自身がすぐに読み込んでお話できるぐらいになってほしいと思っており、そういう意味でも、科目ごとに分けてcsvファイルに入力するのは基礎知識として知っておく必要があることだと思っています。



CRD:確かに金融機関ご出身であれば、そのあたりの勘はかなりお強いですね。

活用シーンは練習の場にも。営業の肝は定性的な情報も踏まえたコミュニケーション

CRD:リース事業に加えて、経営コンサルもできそうですね。


小林様:何かそういったことができるといいですよね。うちの今後の課題として、リースレートについては競合もありますし、その後のお付き合いも考えてアナログ的に1回見積もりを出してみて、競合他社と比較して遜色あるようでしたら言ってくださいという感じでやってきましたけど、今後はできたら、せっかくMcSSのようなデータもいただいているので、スコアリングに基づいたレート設定の方向に持っていけるといいかなと考えています。



CRD:データの活用イメージまで明確にお持ちいただいて、本当にありがたいです。


小林様:分析されたものに対しても、例えば「当座比率をもっと上げないといけませんよ」という話をしたとしても経営者には中々伝わらない。中小企業の方にとっては、もっと具体的に、経費だったらどれを削減しましょうとか、預金はやっぱりたくさん積んでおいた方がいいですよねとか、そのように言い回しをちょっと変えてあげる必要がありますね。もちろん経営者の中には、自己資本比率を高くしましょうとこちらが言ったら計算できてしまう方もいらっしゃるんですけど、通常は財務分析の話をしてもピンとこないケースの方が多い。より具体的に、「返済するためにこういうことをしたらもっといいんじゃないんですか」「どこが気づきですか」みたいなことをお話する方がわかってもらえますよね。分析結果は大事な指標なんですけど、それを読み解くといいますか、もうちょっと易しく言うことがすごく大事かなと。



CRD:おっしゃる通りですね。


小林様:金融実務経験のないプロパー職員にとってはハードルが高いので、お客様から決算書をいただいたときにミーティングを開いて、全員で気づいたことを言い合うようにしています。そうすると、だんだんポイントがわかって、この会社はここに問題があるよねというのも何となく見えてくるようになります。最終的にどうしようかという話をするときには、McSSで分析して、結果がこうでしたというのを確認させてもらって、やっぱりここが課題だねという話になっています。



CRD:なるほど。


小林様:練習の場で参照する資料としてもMcSS帳票を活用させてもらっている感じです。そういう意味でも一番わかりやすい資料ですね。
ただ財務分析も大事なんですけど、営業マンで一番大事なのはやっぱりお客様とのコミュニケーション能力だと私は思っていて、経営者が何を大事に思ってらっしゃるかをちゃんと読み解いて、有効な情報に置き換えるということですね。ですからMcSSで出てきた定量的なところだけを見ていると見誤るよと。定性的な面もきちんと評価してあげないと。McSSが全てだとなったら、定量的な結果が悪ければもう貸さない方がいいよと絶対なりますのでね。
逆に今は良くても、将来はわかりませんし。あくまでもそれは今までやってきたことの結果、そこを踏まえたうえで未来図を見せる材料として、McSSは非常に便利だと私は思います。



CRD:McSSのアウトプットを多岐にわたってご活用いただいているのですね。本日は様々な貴重なお話をありがとうございました。

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