大量の取引先を“数分で審査”。スコアリングモデル導入で与信管理が劇的に改善した事例

商社や一般企業のビジネスにおいて、仕入先、取引先が増えるほど、与信管理の負担は増加する一方です。
「1件ずつの与信審査に時間がかかる」、「審査が属人化しており判断がバラつく」など、多くの企業が同じ課題を抱えています。
与信管理は、取引先の信用度を評価し、リスクを適切に管理するための重要なプロセスです。

そこで今回は大量の取引先を効率的に与信管理する方法を探している方へ本記事では、公的機関にも採用されているスコアリングモデルを活用し、与信管理を効率化・自動化する具体的な方法を解説します。
目次
「取引先が多すぎて審査が追いつかない…」そんなお悩みはありませんか?
取引先が増えると、与信管理の負荷は一気に跳ね上がります。
特に、以下のような課題は多くの企業で共通しているでしょう。
- 1件ずつ手作業で与信チェックを行うため、膨大な時間がかかる
- 担当者の経験や勘に頼った判断になり、基準が統一されない
- 新規取引の審査が遅れ、商談スピードに影響
- 審査が滞留し、月末は残業が常態化
- リスクの高い取引先を見落とす不安が常につきまとう
こうした課題は、商社・卸売・製造・メーカーなど、業界、企業規模に関係なく発生します。
特に、取引先が数千〜数万社規模になると、従来の「1件ずつ調べる」やり方では到底追いつかず、担当者の残業や判断のばらつきが避けられず、新規取引のスピードにも影響します。
「審査が追いつかない」「どこまで精査すべきか判断が難しい」という声が現場から上がり、与信管理体制の見直しに着手する企業も少なくありません。

従来の信用調査の流れと、その限界
一般的な企業では、以下のようなステップで与信審査が行われていることが多いでしょう。
1.企業情報の収集(登記・基本情報)
商号、所在地、代表者、設立年月日など、最低限の情報を確認します。
しかし、この段階では信用力を判断する材料はほとんどありません。

2.財務情報の入手(決算書)
決算書を入手し、売上・利益・資産・負債などを確認します。

3.外部調査(信用調査会社)
信用調査会社のデータを確認し、評点や調査コメントを参考にします。
しかし、未登録企業や小規模企業は情報がないケースも多く、ここで審査が止まることもあります。

4.社内審査(財務分析・定性評価)
財務指標の分析に加え、営業担当からのヒアリング内容や取引条件を踏まえて総合判断します。
担当者の経験値に依存しやすく、属人化が起きやすい工程です。

5.稟議・承認
審査結果をもとに稟議を回し、承認を得ます。
判断根拠が曖昧だと承認が下りず、取引開始が遅れる原因になります。

6. 与信限度額の設定
最終的に、取引可能な限度額を設定します。

従来の流れは“1社ずつ丁寧に審査する”には向いているが、大量処理には不向き
この従来型の与信管理は、1社ずつ時間をかけて審査する前提で設計されています。
しかし、大量の取引先を抱える企業では、「営業からの依頼に追いつかない」、「1社あたりの審査時間が長い」
といった問題が顕在化します。
つまり、従来の方法では 大量の取引先を短期間で審査するには限界があるのです。
また信用調査会社の評価は自己資本比率が何以上なら何点、社長の年齢が何歳なら何点といった評点を積み上げて点数化しているところも多いようです。そのために取得時期によってもばらつきが出てしまうことも考えられます。

スコアリングモデルで全件を一括評価し、審査を自動化
そこで活用したいのが、スコアリングモデルによる一括評価です。
スコアリングモデルを利用すれば、誰が評価しても同じ結果になり、かつ効率化を図ることが出来ます。
例えば、スコアリング評価が〇〇点以下の先のみ個別審査で重点管理、○○点以上はスコアリングモデルによる自動審査のような区分けにすれば効率化を図ることが可能です。
スコアリングモデルは決算書の財務情報からデフォルトの判別に有効な財務指標を統計学的分析し、デフォルトしやすさ(倒産しやすさ)をデフォルト確率や評点として算出します。
従って、自己資本比率が〇〇以上なら何点、社長の年齢が〇歳なら何点といった評点を積み上げた点数化ではない為、取得時期によるばらつきもなく、統計学モデルによる信頼性の高い評価を得ることが出来ます。

一般社団法人CRD協会のスコアリングモデル
スコアリングモデルと呼ばれるものは多々存在しますが、一般的にモデル構築時のデータ量が多いほどモデルの精度は安定し、モデル評価を安心して利用できます。
一般社団法人CRD協会のスコアリングモデルは国内最大規模の中小企業決算データから構築されており、かつ大量のデフォルトデータが蓄積されていることから、精度の安定性が高く、2006年から信用保証協会の料率区分決定にも採用されています。
また、CRD協会のスコアリングモデルはパッケージソフトで提供されている為、システム開発コストをかけることなく導入が可能です。
自社システムに組み込みたい場合はモデルのエンジン部分のみの提供も可能な為、柔軟な開発が可能です。今後はAPI連携の対応も検討されています。
CRD協会のスコアリングモデルの紹介はこちら。
CRDモデル(スコアリングサービス):一般社団法人 CRD協会
実際の活用事例
A社ではCRD協会のスコアリングモデル導入後は、まず全取引先を一括でスコアリングし、
高スコア → 自動審査で即承認
低スコア → 担当者が重点審査
という運用に変更しました。これにより、審査基準が統一され、属人化が解消。
担当者は重点的に見るべき先に集中できるようになり、審査のスピードと精度が大幅に向上しました。
特に、「審査の標準化」が実現したことで、組織全体の与信管理レベルが底上げされました。

まとめ
取引先が増えるほど、従来の手作業による与信管理には限界が生まれます。
今回の企業のように、スコアリングモデルで全件を一括評価し、評点で審査を振り分ける仕組みを取り入れることで、
審査の効率化とリスク管理の高度化を同時に実現できます。
「審査が追いつかない」「属人化を解消したい」「高リスク先を見落としたくない」
こういった与信審査のお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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